2022-11-14
畳の防音対策は?対策する際の注意点もあわせて紹介
マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいると、避けては通れないのが騒音トラブルです。人間が生活するうえであらゆる音が発生するのは仕方のないことなので、騒音トラブルを避けるためには適切な防音対策を施す必要があります。
とくに畳の部屋は、実際に畳をはいでみると床が板張りになっているケースが多く、防音性が高いとは言えません。そこで今回は、畳の防音対策や対策する際の注意点などを分かりやすく紹介します。
騒音の種類には、床衝撃音というものが存在します。床衝撃音とは、床に物を落とした際や、歩行の際に床が振動して下の階に伝わる音のことです。
この床衝撃音には、軽量床衝撃音と重量床衝撃音の2つのパターンがありますが、いずれも騒音として判断されるため対策を施さなければなりません。
畳の部屋で床衝撃音をおさえられる簡単な防音対策としては、畳の下に防音マットを敷く方法と畳の上に防音カーペットを敷く方法の2つの方法があります。
賃貸マンションやアパートで防音対策を施す際、大規模に工事するのは難しいですが、防音マットや防音カーペットを活用すれば簡単に防音対策を施すことが可能です。
防音マットを畳の下に敷けば、何も敷いていない状態よりも大幅に騒音をおさえられます。施工方法は非常に簡単で、畳をはがして防音マットを床に敷き詰めていくだけです。
防音マットがはまらない部屋の隅は、カッターやハサミでマットを適切な形に切れば満遍なく敷き詰められます。ただ、畳を一枚一枚はがしていく作業や、防音マットを敷き詰めた後の復旧作業は力が必要になるため、できるだけ複数人で作業するのがおすすめです。
また、防音マットの購入時は性能の低い防音マットを買って後悔しないように、スペックや口コミを細かくチェックしましょう。
防音カーペットを敷くのも、対策として非常に有効な方法です。防音カーペットは畳の上から敷くだけで防音対策ができるため、畳の下に防音マットを敷くよりも手間がかからないというメリットがあります。
ただ、防音カーペットも防音マット同様にさまざまな種類があるため、購入時は必ず商品の口コミをチェックしましょう。安いからという理由だけで選ぶと、カーペットを敷いたところで防音対策にならない場合があります。
防音カーペットを活用すれば誰でも簡単に防音対策ができますが、カーペットを敷く際はズレないようカーペット鋲にて固定することや、ダニやカビが発生しないように対策を施すことが必要です。
防音カーペットを敷く際は、注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
カーペットを鋲で固定しておかないと、時間の経過とともにカーペットが初めに敷いた位置からずれてしまいます。そのため、カーペットを敷く際は鋲でしっかりと固定しなければなりません。
カーペットを固定する方法としては滑り止めのシートを使う方法もありますが、滑り止めのシートは通気性が悪くなるため、固定する際はカーペット鋲の使用をおすすめします。
カーペット鋲はホームセンターや100円ショップにて、敷いているカーペットの厚さや色に合うものを選び購入しましょう。
また、カーペットが固定されていないと滑る危険性があります。とくに小さな子供がいる家庭では、子供が家の中を走り回ってカーペットで滑る可能性があるため注意が必要です。
カーペットがずれないようにするためだけでなく、家族が滑って怪我するのを防ぐためにもしっかり固定する必要があります。
カーペットを敷くことで湿気がこもりやすくなり、湿気を放置しておくとダニやカビが発生してしまうかもしれません。カーペットを敷く場合は湿気対策を忘れないようにしましょう。
日頃からできる対策としては、定期的にカーペット下の畳に掃除機をかけることや、天気の良い日は部屋の窓を開けて換気をする、畳の目に沿って乾拭きをするといった対策が挙げられます。
とくに梅雨の時期は湿気が溜まりやすいため、こまめに掃除することをおすすめします。
また、カーペットを選ぶ際は防ダニ・防カビ効果のあるものを選ぶと、仮に掃除を怠ってもダニやカビの発生を最小限に防ぐことが可能です。
ただ、防ダニ・防カビ効果あるといってもカーペットによって性能が異なるため、選ぶ際はどれだけ高い効果を得られるのか必ず確認しましょう。
集合住宅では自分以外にも多くの人が同じ建物で暮らしているため、トラブルを起こさないためにも騒音や衝撃音に関する知識を身につけておくことが大切です。
騒音や衝撃音には、軽量床衝撃音と呼ばれる音・重量床衝撃音と呼ばれる音の2つの種類が存在します。音の種類は違うものの、いずれも騒音として判断されるため、集合住宅に住んでいるのであればそれぞれの特徴や防音対策方法を覚えておきましょう。
軽量床衝撃音とは、コインやスプーンなどを床に落とした際や、スリッパやハイヒールを履いて歩くときに発生する高音域の軽い音のことです。
フローリング床の多いマンションでは軽量床衝撃音が騒音トラブルになるケースが多く、床の構造や表面の仕上げによって遮音性能が異なります。
建物の遮音性能のレベルを表す遮音等級において、軽量床衝撃音はLL-40やLL-50など、LLで等級が分けられており、数値が小さければ小さいほど遮音性能が高いです。
日本建築学会が推奨する好ましい性能水準はLL−45となっているため、LL-45以下であれば高い遮音性能を誇っているということになります。
高音域の軽量床衝撃音をおさえたい場合は、吸音効果のあるマットやカーペットを敷くだけでも防音対策になります。
ただ、カーペットであれば何でもいいというわけではないため、カーペットを敷いて対策する際は防音効果の高いものを選びましょう。とくにフェルト下地のカーペットは高い防音効果を発揮するのでおすすめです。
また、より高い防音効果を得たい場合は、床の構造躯体の厚さを増加させる、床の仕上げ材に柔らかい材料を選択するといった対策もよいでしょう。
しかし、これらの防音対策は工事が必要になるため、賃貸住宅に住んでいる場合はカーペットやマットなどを敷く方法で対策するのがおすすめです。
重量床衝撃音とは、人が走ったり跳んだりした場合に下の階へ伝わる重くて鈍い音のことです。遮音等級は、LH-45やLH-50といったようにLHで表記されます。
重量床衝撃音は、床の材質が固くて重いほど遮音性能が高いのが特徴です。マンションでは、床のコンクリートスラブの厚みに遮音性能の高さが比例します。
防音対策方法としては、床の構造を強固にする、湿式浮床構造に変更する、スラブコンクリートの増し打ちや梁を入れるなどの対策方法が挙げられます。
しかし、これらの方法はいずれも大規模な工事が必要になるため、賃貸の場合はカーペットやマットを敷くのが一番手っ取り早いです。
工事するよりも得られる効果は小さいですが、カーペットやマットを敷くことで、重量床衝撃音だけでなく軽量床衝撃音も軽減できます。また、手間が少ないうえにコストをおさえられるのも大きなメリットです。
より高い防音効果を得たい場合は、マットの上からカーペットを敷いて二重で対策しておくと良いでしょう。
マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいると、周りからの騒音に悩まされることがあれば、自分が発した騒音で他人に迷惑をかけてしまう場合もあります。
しかし、防音対策を施しておけば他人に騒音で迷惑をかける心配がなく、トラブルに発展するのを防げます。防音マットや防音カーペットを活用すれば簡単に防音対策ができるため、集合住宅に住んでいる方はトラブルを防ぐためにもしっかり対策しておきましょう。