2023-02-14
ふすまの張り替えはひとりでも可能です。しかしふすまには、本ふすま、戸ふすま、チップボールふすまと、種類によって特徴が異なるため、張り替え方法を変えなければなりません。
間違った手順や不適切な方法で張り替えると、ふすまがダメになる可能性があります。おしゃれにリメイクしようと思っても、使えなくなってしまっては意味がありません。
この記事ではふすまの種類や、DIYでふすまを張り替える方法を解説します。張り替えに必要なものもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
ふすまをダメにしてしまわないよう、張り替える前にふすまの種類を見分ける作業が重要になります。ここでは、以下5種類のふすまを解説します。
ふすまの種類 | 特殊 |
---|---|
本ふすま(本ふすま) | 日本で伝統的に使われているふすま。中小骨という組子の両側に和紙を張って、表面にふすま紙を張って仕上げる。 |
戸ふすま(戸ふすま) 板ふすま(板ふすま) | ベニヤ板を組子に張って芯材にしたふすまで、重みがある。片面はふすま紙、片面は、木材・クロスにすることで、和紙と洋室が隣り合っている場合に仕切りとして使える。 |
ダンボールふすま | ダンボールを芯材にしたふすまで、両側にアルミ箔、ふすま紙を張って仕上げる。コストが安く、軽くて扱いやすい。 |
発泡スチロールふすま | 芯材が発泡スチロールになっていて、非常に軽い。ただし衝撃や熱に弱い。 |
チップボールふすま | 本ふすまの下張りにチップボールという厚紙を使用したふすま。本ふすまと比べて耐久性や調湿性に優れている。 |
本ふすまとは、古来の日本から使われてきた伝統的なふすまです。細い木の枠(組子)の上に和紙を何重も重ねて作るため、組子ふすまとも呼ばれます。
通気性がよく、ねじれや反りに強い点はメリットですが、構造が複雑で生産が難しいため、ほかのふすまと比べて価格は高めです。面に手を当てて、木の枠を感じたら本ふすまです。
戸ふすまとは、組子にベニヤ板を張って芯材にして、その上にふすま紙やクロスを張って作られるふすまです。芯材にベニヤ板を用いるので重量があり、ふすま紙が破れにくいという特徴があります。
また、ふすまを片面ずつふすま紙とクロス、木材にすることで、和室と洋室の仕切りにできます。手で軽く叩いてみて、木の音がすれば戸ふすまです。
ダンボールを芯材にしたふすまで、両側にアルミ箔やふすま紙を張って仕上げるふすまです。重量が軽く、加工しやすいことからコストが安く、扱いやすい点がメリットです。安価な分、一度芯材が歪んでしまうと修復は厳しくなります。また、張り替えの限界は約3回です。
発泡スチロールふすまは、ダンボールふすまと同様に、安価で加工しやすいふすまです。芯材が発泡スチロールなので、そこまで強度には期待できません。発泡スチロールふすまは基本的に使い捨てで、張り替えではなく重ね貼りになります。
本ふすまの下張りにチップボールという厚紙を使用したふすまで、本ふすまと比べて耐久性や調湿性に優れています。室内の温度に応じて、湿気を吸収・放出する点が特徴です。手で触ってみて、縦横に骨組みを感じたらチップボールふすまになります。
ここでは、DIYでふすまを張り替える際の準備物をまとめています。多いと感じるかもしれませんが、ホームセンターや100円ショップで揃うのでぜひ利用しましょう。
ふすま紙 | のり | のり容器(トレイ) | 茶チリ紙 補修用の紙 |
ハサミ | カッター | かなづち | ラジオペンチ |
バール | ハケ | マスキングシール、ビニールシート | ハンマー |
まずはふすま紙です。おしゃれなデザインに張り替える際は、事前にインターネットや専門店で購入しておきましょう。ふすまを張り替える際はのりが必要ですが、ふすま紙にのりが付いている場合は不要です。のりが必要な場合は、容器・トレイを用意しましょう。
はさみとカッターはふすま紙をカットする際に使いますが、利用シーンが異なります。はさみを入れづらいときにカッターを使うので、どちらも用意しておくのがおすすめです。
ふすまを張り替える際は、釘を打ったり抜いたりするので、かなづちやラジオペンチを用意しましょう。バールはあまり家庭で見かけない道具ですが、引き手を外すときに使うので、安価でもよいので購入しておきましょう。
ここでは、DIYでふすま張り替えする方法を解説します。自分で張り替え作業を行う場合は、ぜひ参考にしてください。なお、ふすま紙は乾燥すると縮むので、表面・裏面の両方を張り替えるのがおすすめです。
・引き手を取り外す
・枠を取り外す
・ふすま用ののりを準備する
・ふすま紙を貼り付ける
・乾燥させて枠と引き手を取り付ける
まずはふすまの引き手を取り外しましょう。パールをふすまと引き手の間に差し込み、引き手を持ち上げます。引き手をもとに戻して釘の頭を出したら、ペンチで引き抜きましょう。
釘が抜ければ、引き手は簡単に取り外せます。ただし、引き手が接着剤で留められていると、壊さなければならない場合があるので注意しましょう。
枠を取り外す前に、もとどおりになるよう目印を付けておきましょう。ふすまを横にして立たせたら、木の枠を傷付けないように当て木をして、底側から横の木枠をハンマーで叩き、スライドさせます。
ふすまによって木ネジで固定されている場合があるので、よく確認してから叩くようにしましょう。
枠には溝が掘ってあり、溝の穴とネジ穴が合致するところまでスライドさせれば、手で取れるようになります。縦の木枠は釘で固定されているので、薄い板やヘラを入れて外しましょう。
木枠がスライドしない場合は、かなづちとバールを使ってふすまと木枠の間に差し込み、隙間を広げる方法もあります。
上下にゆっくりと動かすと外れていくので、枠が動きそうになったら横からハンマーで叩いてスライドさせましょう。ハンマーは木枠を傷つけないよう、ゴム製のものを使うのがおすすめです。
ふすま用ののりは、濃いのりと薄いのりの2種類用意します。濃いのりはふすま紙裏面の縁に、薄いのりはふすま紙裏面全体へ塗るので、ハケとトレイは2つずつ用意しておくと便利です。のりと水の割合を変えるだけで、2種類ののりが作れます。
次に行うふすま紙を貼り付ける前準備として、古いクロス剥がしと、新しいクロスの巻きグセを直しておくのがおすすめです。
古いクロスはヘラで剥がせます。新しいクロスは、反対方向に巻き直すことで解消できます。
巻きグセを直したふすま紙を伸ばして、ふすまの上に乗せて貼る位置を確認しましょう。位置を調整したら、ふすま紙が動かないように本などの重しを乗せます。余った分のふすま紙はカットします。
ふすま紙の裏面全体に薄いのりを塗り広げて、縁に幅1~2cmほど濃いのりを塗っていきましょう。ふすま紙を貼ったら、空気を抜いて余った部分を折り込み、シワをなくします。四角の部分は重なって厚みが生まれるので、ハサミでカットするのがおすすめです。
ふすま紙を貼って乾燥させたら、枠と引き手を取り付けて、張り替えは完了です。
ふすまの防音もDIYでひと工夫できます。こちらの記事を参考にしてください。
ふすまには、本ふすま、戸ふすま、ダンボールふすま、発泡スチロールふすま、チップボールふすまの5つがあります。ダンボールふすまと発泡スチロールふすまに関しては、耐久力がほかのふすまと比べて低く、張り替えが厳しいので注意しましょう。
DIYでふすまを張り替える際は、以下の5ステップで作業していきましょう。
・引き手を取り外す
・枠を取り外す
・ふすま用ののりを準備する
・ふすま紙を貼り付ける
・乾燥させて枠と引き手を取り付ける
必要な道具を下記にまとめるので、ぜひ参考にしてください。ホームセンターや100円ショップを利用して道具を揃えましょう。
ふすま紙 | のり | のり容器(トレイ) | 茶チリ紙 補修用の紙 |
ハサミ | カッター | かなづち | ラジオペンチ |
バール | ハケ | マスキングシール、ビニールシート |