2024-04-11
劣化により剥がれやすくなる障子は、汚れや破れがなくても定期的に張替えが必要です。障子の張替えは、コツを押さえれば自分でもできるのをご存じでしょうか。
少し手間がかかってしまいますが、必要となるものを用意して手順を把握すれば、誰でも張替えが可能です。本記事では、きれいに張替えるための注意点もあわせて紹介しています。自分で障子の張替えをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、障子張替えに必要なものを紹介します。どのアイテムもホームセンターやスーパーなどで簡単に揃えられます。なかには、自宅にあるもので代用することも可能です。
張替え中に道具が足りず、作業が滞ってしまうことのないように、以下のものを事前に揃えておきましょう。
●ビニールシートや新聞紙などの敷きもの
●障子紙
●障子紙剥がし剤(水でも代用可能)
●ハケ
●濡らした雑巾(濡れたスポンジでも代用可能)
●マスキングテープ
●障子のり
●カッター
●定規
●霧吹き
ビニールシートや新聞紙などの敷きものは、作業で部屋が汚れないよう使用します。マスキングテープは障子紙を仮止めするために必要です。
障子紙には障子のりで接着させるものだけではなく、両面テープ用や、アイロンで接着させるものもあります。用途にあわせて必要なものを用意しましょう。
自分で障子張替えを行う手順は、以下のとおりです。
1.障子を枠から外す
2.古い障子紙を剥がす
3.新しい障子紙を張る
4.障子を枠に戻す
作業に移る前に、外した障子を置いて作業できる十分なスペースを確保しておきましょう。障子を置くスペースよりもさらに広めに、汚れを防ぐビニールシートや新聞紙などを敷いてください。障子紙の巻き癖は前もってとっておくと、よりスムーズに作業を進められます。
また、古い障子紙を剥がすとき、障子のりや両面テープで張られたものと、アイロンで接着されたものとでは手順が異なります。どのような方法で障子紙が張られていたのか、事前に把握しておくとよいでしょう。
以下では、具体的な手順とともに注意点も紹介します。注意点を事前に理解しておくことで作業がスムーズに進められ、失敗も少なくなります。
まず障子を枠から外しましょう。障子を少しだけ垂直に持ち上げてから、下を手前にずらすと簡単に外れます。障子を外したら障子紙が張られている面を上にして、作業スペースに平らの状態にして置きます。
障子が変形していると、枠から簡単に外れないことがあります。このとき、強引に外そうとすると破損の原因となってしまうため、注意しなくてはなりません。少し力を入れても外せない場合は、無理せずに業者へ依頼しましょう。
また、障子は当日中に作業が可能な分だけ枠から外すのが賢明です。作業に慣れるまでは時間もかかってしまうため、張替える枚数が多い場合には何日かにわけて行うとよいでしょう。天気なども加味しながら、計画を立てて進めてください。
平らな場所に障子を置いたら、障子紙を剥がします。障子紙と桟(さん)・組子(くみこ)の接着部分に、ハケなどを使いながら剥がし剤を塗りましょう。桟は障子の外側の木枠で、組子は格子状になっている細い木枠のことです。
剥がし剤を塗ってから5分ほど経過したら、桟の部分からゆっくりと丁寧に古い障子紙を剥がします。このとき、障子紙を下から押すようにして浮かせるとスムーズです。
剥がし剤を用意できなかったときには、水を含んだハケや雑巾などでも代用可能です。接着部分を少しずつ濡らして、3~5分ほど置いてから障子紙をゆっくりと剥がします。
アイロンで張られている障子紙は、アイロン熱で剥がします。桟の部分からアイロンをあてて、熱が残っているうちに障子紙を剥がしていきましょう。
きれいに張替えるために、古い障子紙が残らないように剥がしていく必要があります。古い障子紙が残っていると張替え後に剥がれやすくなるため、古い障子紙が残らないよう、ゆっくりと丁寧に剥がすのがポイントです。
桟や組子に残った障子紙は、濡らした雑巾やスポンジで拭き取ったり、へらでこそいだりすると剥がれます。それでも剥がれない場合には、サンドペーパーで軽く削ります。削ったときに出たカスが残っていると接着不良の原因となるため、必ず取り除いてください。
桟や組子が乾いているのを確認してから、障子紙を張る作業に移ります。しっかり乾いていないと接着が弱くなり、新しく張った障子紙が剥がれやすくなるため気をつけましょう。
障子紙には表と裏があり、ざらつきがある面が裏側です。地域差はありますが、表裏どちら向きで張っても問題ありません。しかし、ほかの障子と向きを統一させたほうが、仕上がりが美しくなります。
障子紙を広げて桟に合わせたら、場所がずれないように上の部分だけマスキングテープで仮止めします。仮止めしたら障子紙を端に巻き寄せて、障子のりを桟と組子に塗っていきましょう。
障子のりを塗り終わったら、乾かないうちに障子紙を接着させます。接着させるときには、外側に向かって空気を出すように張るとたるみが出にくいです。全体を張り終えたら、カッターと定規を使いながらはみ出した障子紙をカットします。
障子紙が乾燥したことを確認したら、仕上げとして全体的に軽く霧吹きをかけ、水気が乾いたら障子張替えが完了です。この仕上げを行うことで、多少たるみがあっても乾いたときにぴんと張りが出やすくなります。
両面テープを使用するときには、縦方向のすべての桟と組子にテープを貼り、裏面を剥がします。次に横方向の桟と組子に両面テープを貼りましょう。横方向に貼った両面テープの裏面はまとめて剝がさないでおき、障子を張りながら一段ずつ剥がしていきます。
障子紙の種類によっては、アイロンで張ることもできます。桟の上部を仮止めしてから、使用する長さで障子紙をカットしましょう。四隅を仮止めし、組子の中心から外側に向けてアイロンを当てます。力は入れずにゆっくりとアイロンをすべらせるのが、きれいに張るためのポイントです。
障子のりで張った障子紙の場合は、霧吹きしたあとの水気が乾いているのを確認してから、障子を枠に戻します。枠に戻すときは上の部分をはめてから、下を押してはめるとスムーズです。障子がうまくはまらない場合には、別の場所で試してみましょう。
以上が、障子を張替える手順となります。手順からもわかるように、障子紙を剥がしたあとや張ったあと、仕上げの霧吹きをしたあとにしっかりと乾燥させることが、きれいに仕上げるポイントです。
障子を張替えるタイミングは汚れが目立ってきたとき、穴があいてしまったときです。見た目に変化がなくても、経年劣化で剥がれてしまう場合もあります。来客があったときに慌てないよう、2~5年を目安に障子の張替えをするのがおすすめです。
自分で障子張替えをする方法を紹介しました。障子は定期的に張替えが必要です。自分で行う際には、本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。
しかし、自分で障子の張替えは時間と手間がかかり、きれいに仕上げるのも難しいです。そんなときは、ぜひゆたか畳の利用をご検討ください。
ゆたか畳では、障子の張替えも承っています。お預かりの時期や障子の種類によって変わりますが、基本的には中2日でご自宅にお届けできるよう、スピーディーな作業を心がけています。
障子のサイズや素材によって料金は異なりますが、見積もりは無料のため、ぜひお気軽にご相談ください。気になる障子の種類があれば、サンプルを持参することも可能です。