2024-06-13
室内から庭など外の景観を楽しむために作られた雪見障子は、日本の伝統的なインテリアであり、今も多くの部屋で四季折々の美しさを彩ってくれます。そんな雪見障子も、定期的なメンテナンスが必要です。
雪見障子を張り替える際、両面テープやのり、アイロンなどを使う方法があります。張り替える前に障子を外す必要がありますが、場合によっては外れないケースがあるでしょう。
そこで本記事では、雪見障子の張り替え方をはじめ、障子が外れないときの原因や外し方をご紹介します。そのほか、猫間障子との違いや由来をお伝えするので、雪見障子以外の障子の種類について知りたい方はぜひ参考にしてください。
雪見障子を張り替える前に、障子を外す必要があります。しかし、場合によっては外れないケースがあるので、原因を明確にして対処することが大切です。ここでは、雪見障子が外れない原因を3つご紹介します。
建物がゆがんでいるとき、雪見障子を周囲から押し込むような形で固定してしまうので、障子が外れないケースがあります。ほかに原因が見当たらない場合は、建物自体にゆがみが生じているおそれがあるので、建物の外から様子を見てみるとよいでしょう。
とくに、建築年数が古い建物は、ゆがみが生じやすくなっており、雪見障子が外れないというケースが多いです。建物のゆがみを放置すると、倒壊につながるリスクが高まるので、雪見障子が外れない場合は劣化のサインと捉えて対処することがおすすめです。
雪見障子の気が膨張しているとき、規定のサイズを上回ってしまい、障子が外れなくなるケースがあります。木が膨張する場合は、湿気が主な原因であり、水分を含むことで膨らみ、雪見障子が外れにくくなってしまいます。
屋根に雪が積もると、重みで雪見障子を上から押さえ込んでしまい、障子が外れなくなるケースがあるでしょう。雪見障子を上から支える水平部材である「鴨居」で障子を圧迫することで、外れなくなる場合があります。
雪見障子を張り替える際、障子本体を上下にある水平部材から外したり、小障子を障子本体から外したりする必要があります。先に小障子を外してから、雪見障子本体を外すとよいでしょう。
小障子は、雪見障子本体のなかに組み込まれているスライドタイプの障子です。基本的には、小障子の側面にバネが組み込まれており、上に上げても落ちてこない構造になっています。
小障子は溝にはまっている状態であり、左右のどちらかの溝が深くなっています。深い溝があるほうに小障子を寄せてから、浅い溝があるほうに引くことで、小障子を外すことができます。
障子本体は、両手で抱えるように両側をしっかり持ち、敷居・鴨居の順番に外します。鴨居に押し込んでいる間に手前に引くと、簡単に外すことが可能です。建物のゆがみや積雪などが原因で外れない場合は、業者に依頼したり対処してから外したりするとよいでしょう。
雪見障子を張り替える際、スムーズに張り替えられるように、必要なものや手順などを確認しておきましょう。ここでは、雪見障子の張り替え方を3つご紹介します。
両面テープを使う場合、雪見障子の枠にドライヤーで熱風を当てます。熱風によりテープが柔らかくなるので、温めている間に両面テープと障子紙を剥がしましょう。その際、いきなり剥がそうとするのではなく、慎重に剥がしていくことがポイントです。
テープをすべて剥がせたら、新しい両面テープを縦の枠に貼り、裏紙を剥がします。同じように、横の枠にもテープを貼っていき、裏紙を剥がします。
次に、新しい障子紙を広げながら枠に合わせて貼り付けます。このとき、とくにゆっくりと慎重に行いましょう。
新しい障子紙を貼り付けたら、枠を指でなぞって障子紙のたるみをなくします。仕上げに、枠からはみ出た障子紙をカットして完了です。
のりを使う場合、障子の枠に水をかけて5分ほど放置します。障子紙に水分が染み込むと、のりがふやけていくので、障子紙を端から剥がします。この際、のりが十分にふやけていなければ、障子紙が破れて残ってしまう原因となるので注意しましょう。
完全に障子紙が取り除けたら、障子の枠を拭いてのりを取り除きます。この段階では、枠が濡れていたり水分を含んでいたりするので、風通しのよいところにおいてしっかり乾燥させることがポイントです。
障子の枠が完全に乾いたら、新しいのりを均等に塗ります。次に、新しい障子紙を広げながら、枠に均一になるように貼り付けます。枠から大きくはみ出ないように、ゆっくり広げながら行うことが大切です。
障子紙を貼り付けたら、指で枠をなぞって障子紙のたるみやしわをなくします。仕上げに、障子の枠からはみ出た障子紙をカットしたら完了です。
アイロンを使う場合は、アイロンをドライモードに設定して、中温〜高温で障子の枠の接着部分を温めます。その際、アイロンを均等に動かしながら、全体を温めていくことがポイントです。
障子紙の接着部分が温まったら、障子紙をゆっくり剥がします。次に、アイロンを中温〜高温に設定して準備している間に、新しい障子紙を枠に合わせておきましょう。
アイロンが温まったら、新しい障子紙の中心から外側に向けて動かして貼り付けます。仕上げに、障子の枠からはみ出た障子紙をカットして完了です。
雪見障子は、上半分が障子紙、下半分が薄いガラスが施されている障子です。一方で猫間障子とは、障子の下一部が開閉できる作りになっているものを指します。この開閉できる部分を小障子といい、近年では雪見障子のようにガラスがはめ込まれているものも多いです。
雪見障子と猫間障子との大きな違いは、小障子が設けられているかです。しかし、近年では雪見障子と猫間障子を区別なく使用されるケースが多く、小障子がついていても雪見障子と呼ばれる場合があります。
猫間障子は、本来猫が出入りできるようにつくられたため、当初はガラスがついていませんでした。しかし近年になり、家の気密性を考慮してガラスが取り付けられるようになり、猫間障子という呼び名のみが残ったと考えられます。
また、小障子を上下に動かせるタイプを摺り上げ猫間障子、左右に動かせるタイプを引き分け猫間障子・片引き猫間障子と呼びます。もともとは猫が自由に通れるための障子なので、猫が通る分しか開かないタイプもあり、小障子が開く範囲もさまざまです。
猫間障子は、猫がいる部屋で使用する障子というのが名前の由来です。猫がいる部屋で障子を締め切ったままだと、猫が障子を破ってしまうおそれがあるため、猫のみが出入りできるスペースを確保したといわれています。
当時は猫のためにつくられた障子ですが、ガラスが組み込まれるようになり、現在では雪見障子のように外の景色を楽しめる障子としても知られています。
雪見障子を張り替える際は、古い障子紙の貼り付け方に合わせて、剥がし方を確認することがポイントです。たとえば、前回両面テープを使って貼り付けられている場合は、ドライヤーで接着部分を温めると、テープが柔らかくなります。
雪見障子の張り替えでは、外してから作業する必要がありますが、場合によっては外せないケースがあります。建物のゆがみや木の膨張、積雪などの原因が考えられますが、自分で無理に張り替えようとせずに、専門業者に依頼することがおすすめです。
ゆたか畳は、千葉県内や東京都23区で障子の張り替えを行っています。自社工場でベテランの職人が張り替え作業を行うため、障子を受け取った当日のうちに納品することも可能です。
雪見障子をはじめ、さまざまな種類の障子の張り替えに対応しているほか、襖や畳に関する施工も承っています。ご検討中の方は、ぜひお気軽にゆたか畳までご相談ください。