2024-06-20
日本の伝統的な建具である障子は、和室を柔らかな雰囲気にする役割があります。居間や寝室として和室を使う際には、障子の遮光性が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、和室の障子を遮光にすることでどのようなメリットがあるかを解説します。落ち着いた和室の雰囲気をそのままに、しっかりと遮光する方法についても紹介していますので、和室の明るさなどが気になる方は参考にしてください。
障子の遮光性が低いのは、採光を目的に作られたものだからです。江戸時代中頃から使われるようになった障子は、照明器具がなかった時代、室内の明かり取りとしての役割がありました。
太陽や月の光が室内に入り込むように作られたのが障子であるため、障子に使用されている和紙の透過率は40〜50%と、多くの光を通すことが可能です。
この透過性の高さにより室内が明るくなりますが、この明るさを「眩しい」と感じてしまい、眠るときに支障をきたす方もいます。
また、現在では照明器具を使い、自由に明るさを変えることが可能です。外からの光を取り込むことにこだわらなくてもよいため、障子本来のよさである採光性は、現代の生活において必ずしもマッチするとはいえなくなっています。
和室の障子を遮光にすると、障子を外さず遮光できる・和室で快適に眠れる・和室の日焼けを防げる、という3つのメリットがあります。
ひとつずつくわしく紹介していきます。
和室を遮光にする1点目のメリットは、障子を外さずに遮光できる点です。和室にはカーテンやスクリーンなどを取り付ける器具は備わっていません。そのため、カーテンなどで遮光する場合、障子を外してカーテンレールなどを設置しなければなりません。
遮光障子紙を使うと、障子を外さずに遮光することが可能です。また、カーテンだと内観を損ねる場合がありますが、遮光障子紙などを用いることで、和室の雰囲気を壊すことなく手軽に遮光できるでしょう。
和室の障子を遮光にする2点目のメリットは、落ち着いた和室で快適に眠れることです。室内に差し込む光は、想像よりも明るく感じます。
月明かりや車のライトなどで室内が明るいと、ぐっすり眠れない、眠りが浅いなど、睡眠に支障が出てしまいます。遮光障子紙などで遮光することで外の光が入りづらくなり、朝まで快適に眠れるようになるでしょう。
また、看護師など夜勤がある職種の方は、日中でも明るい日差しが室内に入らないため、良質な睡眠の手助けにもなります。
和室の障子を遮光にする3点目のメリットは、畳の日焼けを防げることです。和室に日が当たると、畳やふすまは日焼けし変色してしまいます。日に焼けた畳も風情がありますが、新しい畳の場合は日焼けを防ぎ、きれいな状態を保ちたい方も多いのではないでしょうか。
遮光障子紙を張ることで、室内に入る紫外線を減らせます。可能な限り紫外線を防ぎながら、少しずつ色合いが変化する畳を楽しむのもおすすめです。
和室の障子を遮光にする方法は、遮光の障子紙を使う・遮光性が高く破れにくい障子に張り替える・遮光フィルムを貼る・業者に依頼する、の4つがあります。
ひとつずつ詳しく紹介します。
障子を遮光にする1点目の方法は、遮光の障子紙を使うことです。最近の遮光障子紙は遮光率の高いものが多数あり、遮光カーテンと比べても同じくらいの効果が期待できます。
遮光障子紙は特殊な加工がされており、普通の障子紙よりも日光を防ぐ力が強いのが特徴です。また、透明度も低く、光の侵入を抑えることも可能です。
遮光障子紙は、通常の障子紙を外して遮光障子紙を貼るパターンと、通常の障子紙はそのままで上から遮光障子紙を貼るパターンの2通りがあります。
遮光障子紙はネット通販やホームセンターなどでも簡単に手に入ります。遮光性を重視する場合、遮光率99%以上の障子紙を選びましょう。障子を締め切ったときに真っ暗になる状態を求める方は、1級遮光カーテンと同じ効果がある障子紙を選ぶといいでしょう。
自分で障子を外してセルフ張り替えもできますが、きれいな仕上がりを求める方は、障子張り替えのプロへ依頼をおすすめします。
障子を遮光にする2点目の方法は、遮光性が高く、破れにくい障子紙に張り替えることです。近年では遮光性の高さを重要視した障子紙が増えており、バリエーションも豊かになっています。
手軽に安く手に入る遮光障子紙もありますが、長く使うことを考えた場合、価格よりも耐久性や実用性を重視して選ぶのがおすすめです。
また、小さな子どもやペットは、気を付けていても障子を破いてしまうことがあります。そのため、子どもやペットがいる家庭では、耐久性の高い障子紙がおすすめです。
障子の張り替えはなかなか大がかりな作業なので、破れにくい障子紙を使うことで何度も張り替える必要がなくなるでしょう。
障子を遮光にする3点目の方法は、遮光フィルムを張ることです。遮光フィルムは、障子紙と同じような遮光効果があります。
遮光フィルムには細かい金属の粒子が塗られており、太陽の光を反射することで遮光します。窓ガラスに直接遮光フィルムを貼るため、光漏れを大幅に軽減することが可能です。
サッシの内側に障子が設置されていることによりカーテンが付けられない場合(内障子など)や、和室の雰囲気を壊したくない方などにおすすめの遮光方法です。
遮光フィルムもホームセンターや100円ショップなどで購入できるため、自分で貼ることも可能です。しかし、気泡が入ってしまったりよれてしまったりなど、きれいに貼れない場合も多いため、仕上がりの美しさを重視する方はプロに相談してみましょう。
障子を遮光にするには、実績が豊富な業者に依頼するのがおすすめです。遮光を効果的に施すためには、障子紙をズレないよう適切に張ることが大切です。障子の張り替えは個人でもできますが、上手に張れずに失敗してしまうことも多いでしょう。
障子の張り替えをきれいに行いたい方は、実績が豊富な業者に依頼するのがおすすめです。ゆたか畳は、畳やふすま、障子の張り替えに数多くの実績があります。また、ベテランの職人が丁寧に張り替え作業を行うため、安心して任せることが可能です。
大量仕入れや広告費削減により、安価での張り替えができます。見積もりから納品までスピーディーに対応してくれますので、障子や和室に関することで気になる方はぜひ相談してみましょう。
障子以外で和室を遮光する方法には、カーテンを取り付ける、すだれを取り付ける、ブラインドを取り付ける、ロールスクリーンを取り付けるなどがあります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、遮光障子紙と比較し、どちらが希望に合うかの参考にしてみてください。
カーテンにはプライバシーを守ったり、太陽の日差しを調整したりする役割があります。色やデザインも豊富にあるのがメリットですが、部屋の印象が大きく変わってしまうため、慎重に選ぶ必要があります。
障子よりも光は拡散せず、隙間もあるため、太陽の光は抜けやすいのが特徴です。ただ、遮光カーテンの遮光率はとても高いため、光が入り込む心配はありません。しっかりと暗くしたい方は遮光率の高いカーテンを選ぶのもよいでしょう。
リビングや寝室など、ライフスタイルに合わせたデザインや色を選ぶことが大切です。カーテンは種類が豊富なので、部屋に適した機能とデザインのものをきちんと見極めましょう。
すだれは、細く割った竹で作られており、軒先などにつるして使用する日除けアイテムです。夏の暑い日差しを避けるため古くから使われてきました。
遮光性に優れており、風を通す効果があります。すきまから少しだけ向こう側が見えるため解放感があり、真っ暗になりすぎない柔らかな明るさが特徴です。見た目がとても涼し気で、近年ではおしゃれなデザインのすだれも登場しています。
屋外に設置することが多いため、室内の雰囲気やデザインに影響しないところがメリットです。高さ調整や取り外しもできますが、やや手間がかかる点がデメリットといえます。
ブラインドとは、水平や垂直に羽根が並んでいる窓まわりアイテムのことをいいます。ブラインドには2種類あり、羽根が水平に並んだベネシャンブラインドと、垂直に並んだバーチカルブラインドがあります。
ブラインドは、羽根の角度を調節することで入り込む日差しの量をコントロールできるのが特徴です。また、高さを上下に動かすことで日差しの侵入を防げます。
締め切ることで遮光性は上がるため、日差しの強い部屋や外から見えやすい部屋などにおすすめです。遮光性は高いですが、デザインによっては無機質に感じてしまうため、素材や色にこだわって選択するといいでしょう。
ロールスクリーンは、スクリーン(生地)を昇降させて開くアイテムのことです。UVカット、遮熱断熱など機能も豊富で、色や柄もバリエーションが多く和室の雰囲気に合わせやすいのが特徴です。
上部のロールパイプがスクリーンを巻き上げることで収納できるため、コンパクトさも魅力といえます。ロールスクリーンは1枚の生地でできているため、見た目がすっきりしており部屋を広く感じられます。
スクリーンの高さを調整することで、日差しを避けて快適に過ごすことが可能です。ただ、両端に隙間ができるため光が入りやすく、カーテンと比べると遮光性には少し劣る点がデメリットといえます。
和室特有の落ち着いた雰囲気を壊さず、障子から差し込む光を防ぎたいときには、遮光障子紙に張り替えるのがおすすめです。
遮光するためのアイテムはさまざまあり、遮光障子紙はもちろん、遮光性の高いフィルムなども出てきています。色や柄入りのおしゃれな障子がたくさんあり、障子の柄を変えるだけでさまざまな雰囲気を楽しむことも可能です。
障子は自分で張り替えることもできますが、きれいに仕上げるためにはプロにお任せしましょう。障子は慣れないと上手く張れないため、職人に依頼するのがおすすめです。
ゆたか畳では、ベテランの職人がひとつひとつ丁寧に障子の張り替えを仕上げています。相談や見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。